藍深く 道を彩る 友の花

道端に咲く青紫のヒヤシンス
2018年3月撮影

使用カメラ:SONY DSC-RX10M3
F値:4.0
焦点距離:43.5mm
シャッタースピード:1/125
ISO:100
現像:Adobe Lightroom CC

自宅から薬師池まで向かう道の途中に見つけたヒヤシンス。
綺麗な青紫の花が咲いていたので撮影をし、家に帰って花の名前を調べるという王道パターンで、花の名前とビジュアルが初めて一致した花、ヒヤシンス。
ヒヤシンスという名前はもちろん知っていましたが、どの花のことをヒヤシンスというのかは全く知らず、40年以上の人生を過ごしてきました。
ヒヤシンスという花の名前を強く意識したのは2年程前、大学時代の同級生の遺作展が開かれたときのことです。
大学時代、同じ学科で会えば挨拶はするけれども、それほど深く付き合いがあるわけではなかった女性。
卒業して連絡を取ることもありませんでしたが、突然3年前に彼女の訃報が知人から届きました。
その後、彼女と親交の深かった同級生たちが、彼女の残した膨大な絵画作品に心を動かされて遺作展を行うことを決め、約1年の準備期間を経て実現した展覧会のタイトルが「ヒヤシンスと少年」。
私も少しだけ展覧会の準備をお手伝いさせていただき、一度ご実家を訪れて彼女が残した全作品を見せていただいたのですが、よくもまあこれほどの作品を描き続けてきたものだなとその膨大な数に圧倒されました。
美大生時代、誰もが一度は目指した作家への道、卒業後もそれを貫き通した彼女への畏敬の念が、展覧会の原動力になったのだと思います。
あれからもうすぐ2年になるのですね、「ヒヤシンスと少年」改めてその絵画を観てみましたが、彼女の描くヒヤシンスは無彩色のシルエットでした。
ヒヤシンスの花言葉は「悲しみを超えた愛」。

彼女のお母さまからはそれ以降、時折近況報告のお手紙を頂いています。

彼女がどのような思いでヒヤシンスを描いたのか知る術はありませんが、残された人達が心動かされたその絵画には、確かな思いが刻み込まれていたのだと思います。

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