薬師池公園の野鳥

東京都町田市にある薬師池公園は都内でも有数の野鳥観察スポットで、市外や都外からも沢山の野鳥ファンやカメラマンが訪れます。

このページでは、私が薬師池で撮影した写真で野鳥たちを紹介していきます。

カワセミ

背中のブルーがひと際鮮やかなカワセミ

薬師池公園を訪れるカメラマンたちに一番人気の鳥は何と言ってもカワセミ。

町田市の鳥にも指定され、市長からのメッセージも「カワセミ通信」と名付けられています。

町田市を本拠地とするプロサッカーチーム「FC町田ゼルビア」のマスコットキャラクター(ゼルビーくん)も、カワセミをモデルにしており町田とはとても縁の深い存在です。

青とオレンジという補色の組み合わせで彩られた羽毛は美しくてインパクトがあり、実物を目の前にしたらカメラを向けずにはいられません。

雨上がりのモミジとカワセミ
追いかけるメスと逃げるオス
新妻にエビをプレゼントする夫カワセミ

ルリビタキ

ルリビタキ雄の成鳥)

薬師池公園で見ることのできるもう一羽の青い鳥、ルリビタキ。

こちらは冬季限定で園内に出没します。
冬はこの鳥を撮影するために訪れるカメラマンも多く、カワセミと人気を二分する薬師池のアイドルです。

ルリビタキ(幼鳥)
苔むした岩の上のルリビタキ



ジョウビタキ

薬師池公園のジョウビタキ
薬師池公園のジョウビタキ(オス)

顔と羽が黒く、お腹がオレンジ色というユニークな配色の鳥。

カワセミやルリビタキほどレアではないので、この鳥だけを狙いに薬師池公園に来るという人はあまりいないと思いますが、それでも街中でそうそう見つけることはできないので、ジョウビタキが現れると公園がざわつきます。

この鳥も渡り鳥なので冬季限定となりますが、縄張り意識が強いのかよくルリビタキを追いかけまわしている姿を見かけます。

また、なぜか東京では珍しい雪の日に薬師池公園で出かけると、現れてくれることが多くあります。

雪を眺めるジョウビタキ
雪を眺めるジョウビタキ
雪の積もったガマズミの枝とジョウビタキ
雪の積もったガマズミの枝とジョウビタキ
駐輪場に現れたジョウビタキ
駐輪場に現れたジョウビタキ

ジョウビタキもオレンジ色なのはオスだけで、メスはもう少し地味目な色をしています。

メスのジョウビタキ

キビタキ

薬師池公園に現れたキビタキ

かなりレアで私も一度しか目にしたことはありません。

2020年の4月に椿園から薬師堂へと抜ける山道でお目にかかりました。

鳴き声に特徴があるので、野鳥に詳しい人はすぐに分かるようですが、高い木の枝にとまっていることが多く、撮るのはなかなか難しいです

 

エナガ

薬師池公園のエナガ
薬師池公園のエナガ

薬師池公園で見られる野鳥の中ではおそらくもっとも小さい鳥。

ただ小さいだけでなく、ふっくらとしたおなかや長い尻尾、くりっとした目などかわいい要素が満載です。

出現ポイントは特にここと決まっているわけではありませんが、枝から枝へと飛び移って移動するので、斜面に生えている木々に突然群れで現れます。

近づいてくるとなんとなく枝が騒がしくなるのでわかりますが、本当に体が小さく、しかも枝の高いところにいることが多いので撮影の難易度は高く、うまく撮れたときの喜びもひとしおです。

エナガの幼鳥
梅とエナガ

 

メジロ

薬師池公園の熱海寒桜とメジロ
薬師池公園の熱海寒桜とメジロ

花の蜜が好きな鳥で、特に春になると梅や桜の花の蜜を吸いにやってくる姿を頻繁に目にするようになります。

黄緑色のボディーとピンクの花との配色が美しく、梅の花との写真は「ウメジロー」などと呼ばれカメラマンの格好の被写体となります。

熱海寒桜とメジロ

の椿には椿の花が咲く冬によく現れます。

椿とメジロ

梅の花が咲く季節には当然梅林もねらい目ですが、どちらかというと緑丸で示した萬葉草花苑側の梅のほうが見かける頻度は高いように思います。

萬葉草花苑の梅とメジロ

 

シジュウカラ

少しずつ花の落ち始めた枝の上で見返るシジュウカラ
少しずつ花の落ち始めた枝の上で見返るシジュウカラ

住宅街でも見つけやすい野鳥ですが、薬師池公園にも常駐しています。

小さくてすばしっこく、しかも頭と目が黒いのでなかなかピントが合わないのですが、出現頻度が高いのでシャッターチャンスは沢山あります。

紅葉とシジュウカラ

 

ヤマガラ

薬師堂から花菖蒲田へ抜ける山道で出会ったヤマガラ

シジュウカラほど見かける頻度はそれほど多くありませんが、一年を通して薬師池で見ることができます。

枝の上で拾ってきた木の実をつついているとカツカツと大きな音がするので、音を頼りに見つけることも多々あり、薬師堂の竹林で遭遇することが多いです

木の実をくわえるヤマガラ

 

モズ

水車小屋のモズ

2021年は萬葉草花苑や旧荻野家辺りでよく見かけますが、水車小屋やアジサイ園でも見かけたので、薬師池公園内を広い範囲で移動しているようです。

体は小さいですが、鳴き声に迫力があり、鳴けばすぐに分かります。

2019-2020にかけてはオスがアジサイ園、メスが梅林に出没していました。

アジサイ園のモズ(オス)
梅林のモズ(メス)

オスには目隠しのような黒い帯が目からくちばしにかけて引かれているのですが、メスにはそれがありません。

どちらも単独で行動するようです。

 

ヒヨドリ

熱海寒桜の枝で羽を広げるヒヨドリ
熱海寒桜の枝で羽を広げるヒヨドリ

ほぼ日本にしか生息せず、海外のバードウォッチャーに人気の高い鳥。

薬師池では四季を通してみることができます。
メジロと同様、甘い蜜が大好物で椿や桜の花によくやってきます。

カンヒザクラとヒヨドリ
モミの木から飛び立つヒヨドリ

体も比較的大きめで数も多いので、行けば必ず目にすることができるでしょう。

 

ツグミ

白梅とツグミ
白梅とツグミ

こちらも冬季限定でみられる鳥。

2018-19の冬は梅林で見かけることができました。

アジサイ園のツグミ

2019-20にかけてはアジサイ園から椿園へと登っていく階段付近でよく見かけます。

  

トラツグミ

薬師池公園に現れたトラツグミ

落ち葉の中に紛れるために生まれてきたのではないかと思えるほど、鱗状の模様を全身にまとったツグミ科の鳥。

薬師池公園で見かけるのは非常に珍しいですが、たまに出没します。

やはりツグミと習性が似ているのか、出没エリアはかぶることが多いようです。

 

シメ

松とシメ

精悍な顔つきをした鳥。

ハス田の松の木にとまっている姿をよく見かけます。

1羽または少数の群れで活動するらしく、薬師池公園では1羽でいるのしか見たことがありません。

枝の上でキリっとした表情を見せるシメ

肝が据わっているのか、比較的近くまで寄っても飛び立つことなくポージングをしてくれます。

 

イカル

高い枝にとまるイカル

ごくたまに群れでやってきます。

高い木の枝で木の実をついばみまた別の木に移動していくので、あまり近くで撮ることはできませんが、ボディーの配色に特徴があるので、遠くからでもイカルであることが容易に判別できます。

シロハラ

まんまるのシロハラ

基本的に生垣の下に隠れてなかなか出てこないのですが、動くときにガサッガサッと足と落ち葉が擦れる音がするので、そんな時は近くにシロハラがいるはずです。

単独で行動するようです。

近年の「○○ハラ」ブームに乗っかってブレイクの予感です。

ガマズミの実をくわえるシロハラ

ムクドリ

赤く光る生垣の上のムクドリ

数羽の群れで現れ、地表で餌を探しているのを見かけます。

梅の木にとまるムクドリ

比較的地味な羽に対して、鮮やかなオレンジのくちばしと足が目立っています。

アカゲラ

薬師池公園のアカゲラ

薬師池公園の中ではレアの部類に入るアカゲラ。

見かけると常連のカメラマンたちの間でかなり話題になるのですが、いかんせんいつも木の高いところで幹を突いているので、なかなかクリアに撮ることが出来ません。

いつか超望遠仕様の機材を手に入れて、グッと寄った画を撮ってみたいものです。

 

アオゲラ

薬師池公園のアオゲラ

こちらも薬師池公園ではレアな存在。

アカゲラと同様にとても高いところにいるので、撮影難度は高いですが、柿の実が好物のようで、秋には柿の木で待ち構えていると現れる可能性が高いです。

柿を食うアオゲラ

つがいで行動することも多く、2羽で気にとまっているのも見たことがあります。

コゲラやアカゲラに比べて体格が大きく、木をつつく音に重みがあります。

いつか超望遠仕様の、、、

  

コゲラ

とっても近いコゲラ

一年を通してみることのできる日本で一番小さなキツツキ。

雀ほどのサイズで小さいうえに背中の模様が木に紛れてしまうので、見つけづらいといえば見つけづらいのですが、カツカツ音がするので実はけっこう見つけやすかったりします。

しかしちょこまかと良く動き、特に木をつつくときの頭の速度は尋常ではないので、ピンを合わせるのは結構難しい、、、

 

ダイサギ

薬師池公園に現れたダイサギ
薬師池公園に現れたダイサギ

薬師池公園で目にする中で一番大きな鳥がこのダイサギです。

近隣の鶴見川ではよく見かけますが、薬師池公園にやってくる頻度はそれほど高くありません。

薬師池で見かけるときは、ハス田で餌を探していることが多いです。

ザリガニを捕まえたダイサギ
ザリガニを口に放り込むダイサギ

 

アオジ

梅の枝にとまるアオジ
梅の枝にとまるアオジ

黄色いのになぜかアオという名の付く鳥。

サイズはスズメを少し大きくした位です。

近くにいるとチッチという鳴き声が絶えず聞こえてくるので、見つけることは容易ですが、生垣の下からなかなか動こうとせず、近づくとすぐに逃げてしまうので撮影するのはちょっと大変です。

梅林に現れたアオジ

つがいで行動していることが多いので、1羽見つけたらもう1羽きっと近くに潜んでいることでしょう。

 

オシドリ

薬師池に突如現れたオシドリのオス

2020年の暮れに突然やってきたオシドリ。

町田市内の調整池では見かけますが、薬師池公園に来るのはとても珍しいです。

なんとも派手なカラーリングや仮面をつけているかのような顔、とにかく映えるポイントが目白押しです。

薬師池ではカルガモの群れに混ざって行動していて、時折岸に上がってきてどんぐりなどを食べています。

カルガモの群れにに溶け込むオシドリ
松の木に登ったオシドリ

 

トモエガモ

薬師池のトモエガモ

2021年、三が日があけると同時に突然現れた珍しいカモ。

絶滅危惧II類 (VU)にリストアップされている鳥で、私も初めて見ました。

緑とベージュのシックな配色が冬の薬師池の水面によく似合います。

薬師池の水面とトモエガモ

オナガガモ

薬師池公園の空を舞うオナガガモ
薬師池公園の空を舞うオナガガモ

一度だけ薬師池公園で見たことがあり、運よく飛んでいる姿をとらえることができました。

近隣の鶴見川にいるようです。

  

ホシハジロ

赤い目でにらみを利かせるホシハジロ
赤い目でにらみを利かせるホシハジロ

冬季に薬師池公園にやってくる渡り鳥。

キンクロハジロと行動を共にしています。

  

キンクロハジロ

黄色い目でにらみを利かせるキンクロハジロ
黄色い目でにらみを利かせるキンクロハジロ

冬になると渡ってきて、池の主となるキンクロハジロ。

多いときは10羽以上の群れで押し寄せてきます。

モノクロのボディーと黄色い目のコントラストが印象的で、特に紅葉の映り込んだ水面を泳ぐ姿はとても絵になります。

真っ赤な水面とキンクロハジロ
黄色い水面とキンクロハジロ
パステルの水面とキンクロハジロ

 

マガモ

薬師池公園のマガモ
薬師池公園のマガモ

近くを流れる鶴見川ではよく見かけますが、薬師池にはあまりやってこないマガモ。

2019年初めには珍しく常駐しカルガモと行動を共にする姿が見られました。

人工的に作られたのではないかと思ってしまうほど鮮やかな緑の頭部がとても印象的です。

 

カイツブリ

カイツブリの親子
カイツブリの親子

四季を通じて薬師池に常駐するカイツブリ。

水面に飛び出たプラスティックの管の上に巣をつくり、卵を産み、ヒナを育てる姿は沢山の来園者の注目を集めます。

金色に輝く水面とカイツブリ親子

 

カルガモ

緑の水面をゆくカルガモ
緑の水面をゆくカルガモ
緑の水面でくつろぐカルガモ
ハス田で賑やかに動き回るカルガモのひな

薬師池で見られる水鳥としては定番中の定番。

行けばほぼ確実に出会うことができます。

5-6月頃になると赤ちゃんガモが生まれ、わらわらとはす田を泳ぐ姿は本当に可愛らしいです。

 

アオサギ

ハス田でドジョウをくわえたアオサギ

こちらも鶴見川でよく見かける比較的大きな鳥。

ハス田で狩りをしている姿を見かけます。

 

メジロガモ

薬師池に現れたメジロガモ

レアもの中のレアもの。

大変珍しいらしく、2017年に薬師池にメジロガモが来たという情報が流れたときは、普段の10倍以上のカメラマンが押し寄せました。

新横浜の公園でも同じ個体とみられる鳥が目撃されており、鶴見川をのぼって薬師池にたどり着いたのではないかと推測されています。